創作ハウツー howto

二軒目〔前編〕

創作女子会で書籍化作家に聞く!自作のPR方法

黒澤 広尚

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『創作居酒屋』――そこは編集者・作家・書店員・漫画家・イラストレーター・サイト運営者・読者など分け隔てなく、書籍業界にかかわる人々が集まり、創作論を語り合う居酒屋である。

皆様お疲れ様です。エブリスタでプロデュースという名の何でも屋をしている黒澤です。
春になっても少し寒い日が続いておりましたが、都内の桜もすっかり散りまして、温かい・ともすれば暑い日がふえてまいりました。

暑い日といえばビールの季節、創作居酒屋も大繁盛……といきたいところなのですが、二軒目のゲストはなんと女性が3名!? ということで、居酒屋ではなく、渋谷と原宿の間にある、お洒落なカフェでの収録となりました。
お集りいただいたお三方は、皆様書籍作家としてデビューされているだけではなく。エブリスタだけではなく、各小説投稿サイトやエッセイ掲載サイトでそれぞれ活動されている方々です。

今回も、「インタビュー」という形式ですとなかなか聞き出せない創作にかかわる本音トークを、皆様にお伝えするようにつとめてまいります。


■今回の来客(五十音順)
筏田かつら 様(『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』『静かの海』『ヘタレな僕はノーと言えない』他。『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』はシリーズ累計30万部を突破するヒット作となる)
蛙田あめこ 様(『女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました』他、エッセイ等を執筆する)
矢御あやせ 様(『悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!』『大洗おもてなし会議(ミーティング) 四十七位の港町にて』他、マンガ原作等をてがける)

■今回の見どころ
・創作居酒屋、二回目にして女子会でございます。エンジン全開の3人のトークをお楽しみください。
・「あんこう祭りでサイン会をした話」「書店向けPOPを作る理由」「ご当地小説を書くときの取材方法」等、それぞれ歩まれてきた道のりを赤裸々に(?)語っていただきました。
・「note」「LINEノベル」「小説家になろう」それぞれのサービスの作家視点からの見え方も必見です。

「あんこう祭りで100冊サイン本を書かせていただきました」(矢御)

――皆様お忙しいところお集りいただいてありがとうございます。本日は創作居酒屋二軒目ということで……見ての通り、インスタ映えしそうなお洒落なお店で居酒屋感はないのですが、お三方とも友達ということで、楽しくお話していければと思っています

蛙田:よろしくお願いします。そもそもどういった経緯でこのメンバーを呼んでいただけたんですか?

――実は筏田先生とは前職の時に1~2回お会いしただけですが、矢御さんとは以前から親交がありまして、その中で『【華金】お酒大好き女子三人がサイゼリヤで5000円飲み会してきた』がとても面白く、創作居酒屋でも楽しくお酒を飲みながらお話ができればと思いまして、矢御さんを通してご相談させていただきました

筏田:なるほど。どちらかというと私たちも居酒屋サイドの人間なので(笑)。

矢御:ガード下説もあるよね!1)ガード下は電車の音が大きく、また面積的な意味もあり、個人経営の味のあるお店が多い傾向にあります。『通好み』とお受け取りください。 何にしろ、いいインタビューができるように頑張ります。

――よろしくお願いします。さて、最初にお伺いしたいのは、今回お呼びしたお三方に共通していえることは、「著者自身が書籍の営業をかける」ことを経験されているということです。矢御さんは「大洗あんこう祭り」でサイン会を開催されていましたし、筏田先生も書店向けに直筆POP等つくられています。蛙田先生もnote等拝見させていただきましたが、正直素人の作りではないですし、PR映像も自作されてますよね。
「作家自身で書籍の営業をかける」あるいは「作品をPRする」ことに関して、始められたきっかけ等あればお教えいただきたいのですが

矢御:『大洗おもてなし会議』の時の話ですよね? 茨城県には有名な「大洗あんこう祭り」というイベントがありまして、約13万人も来場者があるんです。私の場合は地元の有名な書店、江口又新堂さんに協力していただいて、1回のイベントで100冊サイン本を書かせていただくことができました

――100冊はすごいですね! 1書店が1日で販売する数としてはかなり驚異的だと思います

矢御:ザ・町の本屋さん! みたいな、本当に小さな書店さんなんですが、最終的に江口又新堂さんだけで500冊近く販売していただけたと聞いています。やはりイベントに参加される方だけあって、現地での思い出を求められているんですよね。多い方ですと5冊購入していただいた方もいて、お祭りまで遠征される方の熱意を感じました。

――それはご当地小説ならではですね。筏田先生も自作POP等、希望された書店に配布する活動をされていると思いますが、そちらはどういったきっかけで始められたのでしょうか?

筏田:私はコンテストで『静かの海』と『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』の2作が受賞してデビューしたんですが、先に発売した『静かの海』では特に自分から動くことはなかったんですよね。2作目の『君恋』の時には、「ひょっとしたらこの作品が最後になるかもしれない」という気持ちもあったので、後悔しないように、出版社の許可をとって、設置の許可をいただいた書店さんだけにPOPを配る活動を始めました。
結果、これは私の主観ですが、Twitterを通じて知り合った書店員さんのいる岩手の書店や、直筆色紙をお配りした地元・千葉の書店で大きく取り上げていただいたところから火が付いたと感じましたので、やってよかったと思っています。

「自転車で小説の舞台を巡りました」(筏田)

――筏田先生と矢御さんは、それぞれ「ご当地小説」と呼ばれるジャンルを執筆されていますが、実在の土地を舞台にした小説ならではの執筆体験はありますか?

筏田:やはり小説の舞台となる場所の取材は欠かせませんね。私の場合は、レンタサイクルを借りて取材をしていく形でした。『君恋』は主人公が学生ということもあって、自転車移動が作中でもメインになってくるので、同じ視点でみられるようにしました。

――なるほど。確かに学生が主人公の作品ですと、そういった視点へのこだわりは重要になってきますよね。矢御さんはいかがでしたか?

矢御:私も週に2回は『おもてなし会議』の取材のために大洗に行きました。お世話になった江口又新堂店長の江口さんが本当に素敵な方で、いろいろお話を聞かせてもらいました。

蛙田:自分も知ってます! かなり有名な方ですよね。

矢御:ですねー。その江口さんがかなりの歴女でして、店頭に大洗に関する同人誌も置いてあったりします。いわゆる『聖地巡礼』的なスポットで、大変お世話になりました。

――先ほども現地書店さんの支援がいただけた話がありましたが、ご当地小説執筆は現地の方とのつながりが持てることも、また魅力のひとつかもしれませんね

「noteのユーザーはためになる情報をほしがっているように思います」(蛙田)

――さて、今年は実は新しい小説投稿サイトの公開ラッシュの年でもあるのですが、小説だけではなく、テキストを投稿できるサービスもかなりふえてまいりました。エブリスタもその中のひとつなのですが、今回はそれ以外のサービス、例えば最近話題になることが多い「note」の作家視点での所感などありましたらお教えくださいませ

蛙田:小説投稿サイトのユーザーがエンタメを求めているのに対して、noteのユーザーはためになる情報を欲しがっているように思います。

――ためになる情報、というのは具体的にどういったものなんでしょうか?

蛙田:例えば「おいしいラーメン屋」でも「挨拶の仕方」でもいいんですが、共通の話題として話しやすいものが伸びる傾向があると思っています。Twitterとの連携がとにかく気軽にできるんですよね。みんな布教が好きと言いますか、SNSに掲載した時にのびるような話題を求められている点があると思います。

矢御:ですよね! 小説よりもハウトゥー、特にIT系が伸びやすい印象があります。実際のお仕事をネタにすることもあったり、小説投稿サイトと比較して、書き手の名前や存在感も記事と一緒に広がっていく。匿名性が低いですよね。でも、匿名性が低い分、ユーザーさんはあたたかいところもあると思います(笑)。
逆に小説を書くのには少し向いていなくて、前の話と後の話を関連付ける機能がないんですよ。

蛙田:あと特徴的な部分としては、投げ銭システムといいますか、ユーザーの方からのサポートが簡単にできるようになっていますね。サポートに対してお礼のメッセージを返せるような機能もあったりと、サポートしやすい機能があります。私もたまに支援していただけることもあって、ありがたいです。

――なるほど。それでは本来インタビューの予定にはなかったんですが、発表されたばかりのLINEノベルについてはいかがでしょうか? 確か筏田先生は連載メンバーに入っていたと思いますが

筏田:かなり華やかな印象が外部からはあると思いますが、厳密には後発という部分もあるので、頑張って書いていくことかなって思っています……始まったばかりで、まだ私もよくわからないので(笑)。

――ですよね。では続いて……(ここで、店内にラブソングが流れ始める)

蛙田:あっ、ちょっと待ってください! この音楽は誰かプロポーズするんじゃないですか?! どこですかね?!

矢御&筏田:拍手の準備をしましょう!



※創作居酒屋はまだまだ話は尽きませんが、ラブソングが流れ休憩ムードとなりましたので、前編はこれにてお開きとさせていただきます。
後編では「小説を書き始めたきっかけ」「デビューしてみてびっくりしたこと・よかったこと」「など、興味深いテーマを紹介いたしますのでお楽しみに!

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1. ガード下は電車の音が大きく、また面積的な意味もあり、個人経営の味のあるお店が多い傾向にあります。『通好み』とお受け取りください。

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