小説レビュー review

vol.2

ずっと****をもらし続けるBL

ハマモ

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去年の8/1(火)から11/30(木)まで、「エブリスタ」上で、10社合同のBL小説新人賞、「天下分け目のBL合戦!夏の陣・秋の陣」が行われました。
BL界を担う新たなスターの発掘を目的に開催されたこの賞は、雑誌・新聞等でも取り上げられ、大きな話題となりました。

今回は、こちらのイベントからおすすめ作品をご紹介します。

️「子育て」「先生と生徒」乗り越えるべき境界をしっかり乗り越えた作品

作品名:大好きなモノ全部。
作者:四季
URL:https://r.estar.jp/_novel_view?w=24725113

藤田陸、高校三年生。大好きで大切な小学一年生の家族、海のあまりのかわいさに、ぞっこんな日々を送っている。
そんなある日、陸は近所の公園で、一人泣く男の子を見つける。それは陸のクラスの数学担当の教師、神崎の息子だった。
その出会いをきっかけに、教師と生徒でしかなかった二人の関係に、変化が訪れるーー。

「夏の陣・秋の陣」を通して、各賞の募集条件として様々なジャンルが設定されたBL合戦。各ジャンルの投稿数から、特に投稿者さんが創作に苦しまれていたようだったのが「子育て」ジャンルでした。

男性同士でありながら、子育て。恋愛のドキドキ感を損なわず、子どもを育成していく――物語の設定づけのハードルが高かったのだと予測されます。

そのハードルをしっかり越え、さらにもう一つのハードルすら軽やかに越えていった作品がこちら。ルチル文庫賞で大賞を受賞しています。

この物語の主人公は男子高校生の陸。彼には小学校一年生の弟・海がいます。年の差もあいまって彼は弟のことを溺愛しており、海を通じて普段は遠い存在であるはずの「教師」と繋がっていくのです。

なにか一つのきっかけで遠い存在だった人と距離が一気に近づいた経験をお持ちの人は多いでしょう。この「ママ友」的関係は、遠い属性である教師と生徒間の精神的ハードルを越えさせるのに十分であり、またさらに子育て設定の必然性をも補完する、すばらしい舞台装置であるといえます

教師と生徒でありながら、ママ友。そんな二人が紡ぐ愛とは……? あなたの目で確かめてみてください!

ずっとおしっこを漏らしつづける、驚愕のおもらしBL

作品名:魔界から来た彼は、おしっこが我慢できない
作者:未定
URL:https://r.estar.jp/_novel_view?w=24720253

「お前を見ると、……尿意が止まらなくなるんだ」
自称魔界の人間である男は、主人公を見るとおしっこがとまらなくなる謎の体質の持ち主。
開始1ページ目から失禁。その後、200ページ近くに渡って怒涛の失禁祭りの異色BL!

という、あらすじだけでフルスロットルな作品。ちなみに作者コメントは、「登場人物が軒並みおしっこを漏らす話です。よろしくお願い致します。」の一文のみ。

BL合戦の参加出版社さんたちを集めておこなった座談会で、一つ話題になったのが、「こだわりをヒシヒシと感じるシーンが読みたい」ということ。

ルチル文庫:多少文章に難があっても『ここは思い入れたっぷりに書きました』という場面が二、三あれば『じゃあ他のパターンも出せるかな?』と期待が高まり、他愛もない場面であっても、LOVEエピソードが細かくネチネチ書いてあると『あっ、やる気があるんだな』と凄く伝わります

夏のセミのように全力でミーン!と鳴いている!と思わせるような作品は大好きなので、評価したくなります。
繰り返しますが、そのぐらい熱量を持っていると『もしかして他の題材でもこの人いけるのかもしれない』と強く感じます。

引用:「天下分け目のBL合戦 夏の陣」参加出版社が集まって、ホンネぶっちゃけ合同座談会!選考基準のポイントとは――

異常なこだわりという点で、審査中に一番心に残ったのが、こちらの作品です。
主人公を見るとおしっこが止まらなくなる魔界の男が、とにかくおしっこを漏らし続ける
おむつをしてみるなど様々な対処をしつつも、とめどなくあふれるおしっこを抑えきれずに……というお話です。
主人公にも魔界の男にも感情移入できるスキを与えず、ひたすら多種多様な放尿が出てくるさまは圧巻。基本的な文章構成力に問題が少ないところも、狂気に拍車をかけます

もちろん、商業作品として必要な要素をあまりにも満たしていない(読者を引き込むことなくとにかくおしっこをもらしすぎている)こちらの作品は、選考に残ることはありませんでした。
が、「作者の思い入れ」という点では随一のものがありました
純度の高いこだわりをいかに他人が受け入れられる形で盛り込むか、というアウトプット時点でのテクニックを備えれば、もしかしたら大化けするかもしれません

今、この原稿を書いている2月前半は、BL合戦第2回である「秋の陣」最終審査の真っ最中。最終審査発表は2月末を予定しています。バラエティ豊かな才能との出会いを期待しています。

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